竹材の高度利用技術開発研究
<套板加工技術並びに応用試作研究>
は じ め に
当研究は竹材の工業的利用開発を目標とした、突板(スライス)加工 による素材開発の研究である。竹の薄板はその大部分がロータリー加工材で、製品も極く小品に限ら れている。ロータリ加工材は表面繊維が荒くなり素材感l こ乏しい。当
研究は竹の突板加工により、素材感の高揚をはかるとともに、新規素材 の利用開発研究を行う。
技 術 開 発 1.方法と結果
初年度の研究は、丸竹展開による平板加工の試験を重点に行い、展開
材の諸試験や試作もー部行った。試験材占こは、マダケと孟宗竹の2年から3年生の竹を使った。採材は節間で行い長さは平均30伽で、直径70
から80騨で比較的肉厚のものを選んだ。
展開l こは特I こ有効な熱源として高圧釜を使った。写真に示すような簡
単な治具を使って、手締めのプレス圧締で平板状に伸ばし、一員常温ま
で冷却して乾燥機で水分除去を行い、巻戻しや、反り狂いなど、伸縮の
要因である材料構造の安定化をはかった。
治 具 11) 治 臭 (2)
展開試験のなかで青竹と油抜き処理をした白竹について比較試験を行
ったが、別表の通り白竹の展開歩止りは至って低く、明らかに油抜き処
動こよる材質変化の影響が考えられた。加熱効果については、高温長時
間程大きいと考えられるが、当試射こよる記録では展開の最低条件が4
気圧の120℃で5分間であった。
表1. 竹材展開試験(炭化装置)
試験材料
圧力 時間 温度 試験 成功 成功率
その他
モウソウチク
4
油抜竹
10 1亨0 3 0
138
0
表皮剥ぎ
モウソウチク
4130
油抜竹
6 3 0
140
0
表皮剥ぎ
モウソウチク
5150
油抜竹
6 3 0
155
0
表皮剥ぎ
モウソウチク
4
125
青 竹
10 H
140
3 3 100
表皮剥ぎ
モウソウチク
4125
青 竹
8 4 2
142
50
表皮剥ぎ
モウソウチク
4青 竹
6
130 H
142
3 100
表皮剥ぎ
モウソウチク
4
青竹(皮つき)
6
130 H
0 0
142
モウソウチク
5青竹(皮つき)
6 150 臼 0 0
155
しかし、高圧釜の場合は材料の釜入れより設定条件I こ達する過程で、
昇温加圧されて蒸気の内部浸透がすすむとともに、徐々に材の軟化度を
促進する、いわゆる前段階の効果が考えられる.,又、高圧釜では特に蒸噴気の作用で材中の含水率が高くなり、その膨潤によって急激な熱低下
がおさえられるために、作業段階で効果的であった。
展開竹 山
展開竹 (2)l ●
以上の技術開発ほよって作られた展開竹板を使って市場性のある製品
開発を試みた。 1.市場環境
現在の日本は「衣」、「食」足りて、次は「住」というレベルまでき ているが、大都市を中心とした全国の土地高騰はとどまるところを知ら ず、一般生活者I ことって余裕ある住居を所有することは困難な状況にあ
る。
また、今建てられているほとんどの住宅は、コストの面から機能優先 の無機的空間となっているのが現況である。
2.開発テーマ及びアイテム
そこで、温かみと調和のある空間を創り出すことを目的に、開発テー マを「語りかける壁面」とした。
アイテムは、展開した竹による壁面のものということで「壁面タイノり に決定した。
3.デザイン・コンセプト
基本コンセプトは「温かみと調和のある空間のための壁面タイルとパ
ターン展開」とした。 (1)梯 能 面
何種類かの壁面タイルをデザインし、その組み合わせでパタン展開
デザイ ン開発
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一 5−
を図り、また消賛者の好みによって展開できるので画一性から脱却でき
た8
(2)感 性 面
竹を素材とした壁面タイルなので、素材特有の温りが大きな要素とな
り、木とは一味違うイメージを狙った○
(3)造 形 面
素材の特徴は以下のとおり0 (a)マダケ
(b)表皮、節を取り除いた (c)展開した竹板
(d)サイズは300×
300×
7(Ⅳ)
バターン展開は表面の凹凸による陰影、及び若色塗装を基本とした。
色は半透明のブラウン。
(4)テイスト
組み合わせで個性がだせるように、ユニット単体はシンプル・モダン
を基調とした。
4.デザイン・ワーク (1)構 造
展開した竹材と合板を接着させた平面板材
(2)形 状
さまぎまなバリエションが考えられるが、今回はパタン展開のた
めほ基本的な正方形に絞った。
(3)基本寸法
100× 100× 8(m)・・・竹部3m厚、木部5戯厚
(4)デザイン
次頁からの図面参照。
(a)ユニット
着色塗装
壁面タイル Nnl −1
壁面タイル 恥12
壁面タイル 恥2
壁面タイルI b3
装
壁面タイル 恥4−1
壁面タイル N(14−2
l b)パターン展開
N
m
l −1とその着色塗装タイプ
Nnl −1とNnl −2NO.2の着色タイプ NO.2とその着色塗装タイプ
帆3のみ 岨3とその着色塗装タイプ
Nml −1とNq.4−1 Nn4−1とNO.4−2
今回の試験では、高圧釜によるものが大部分であるが、加熱時間等で
変色や材質劣化の問題点もあり、更に高周波加熱など別途熱源による試
験が必要である。
竹材は材質の差異が甚だしく、試験結果においてもー定の傾向は認め
難く、更に多角的に試験を繰り返しながら条件設定をしていかねばなら
ない。